中医学の伝統に基づく医療と、最先端の西洋医学の両者を教育・研究する機関

遼寧中医大学は、中医学の医師(中医師)を育成するために、1958年中国政府の出資により遼寧省沈陽市に設立された中医医科大学です。
大学は11万平米の本部キャンパス、10万平米の生涯中医学教育学院キャンパス、8万平米の中医技術学院キャンパス、3か所の附属病院、附属日本中医薬学院で構成されています。

学部

医学・薬学学士課程

中医学部 →
中医師
骨傷学部 →
中医骨傷師
針灸学部 →
針灸師

在校生は約7000名(留学生含む)

 

大学院

医学・薬学修士課程、医学・薬学博士課程
在校生は約300名(留学生を含む)

講師陣

教授132名、助教授235名、講師416名、助手と医師数千名

附属病院

当大学の学部生、留学生、大学院生の臨床研修の施設として使用されます。
 
当大学附属病院は中医、西洋医、中西医結合の診療を行います。外来患者に対して、必要な西洋医の検査と治療(手術を含む)の他に、85%の投薬は中薬です。その他に、医師である中医鍼灸師、按摩師、骨傷師は、針灸、按摩、気功などの非薬物療法にて診療を行います。
脳卒中の眼針療法、リウマチ性関節炎、顔面神経麻痺症の鍼灸療法、癌の前期病変、癌、アルコール性脂肪肝、高脂血症、高血圧、心脳血管障害、糖尿病とその 血管合併症、骨粗しょう症、不妊症、習慣性流産の中医治療などは中国国内で高く評価されているだけでなく、日本からも多数の受診者があります。

  病床数 外来患者
 第一附属病院 1000床 3500名/日
第二附属病院 350床 800名/日
附属大連中医病院 450床 約2000名/日

附属研究所

中医基礎研究所、中医臨床研究所、中薬研究所、 針灸研究所、医学史文献研究所、声測定経絡研究所

遼寧省について

中国東北地方の中心として栄えてきた、屈指の重工業都市・瀋陽

中国東北地方には、遼寧省、吉林省、黒龍江省の3つの省があります。遼寧省は、その中で最も人口が多く、約4000万人以上が暮らしています。

遼寧中医大学の本校がある瀋陽は、遼寧省の省都で、中国東北部の中心的な都市です。人口は約700万人という大都市です。中国屈指の重工業都市としても知 られており、電子、機械工業を中心に、石油化学、自動車、医薬などの大企業が多数進出しているほか、金融、保険、旅行などのサービス産業も発展しています。

瀋陽の歴史は大変古く、また、有史以前から文明が存在していたことが、約6000年前と言われる新楽遺跡の発見で明らかになりました。歴史を辿ってみて も、瀋陽は中国東北地方の中心として栄えてきました。清朝建国の祖ヌルハチが、後金の都に定めたのも瀋陽、また、戦前の日本が「満州国」の首都としたのも 瀋陽(当時は「奉天」と呼ばれた)です。旧満州時代には日本からの入植者や日本企業が多くいたこともあり、戦前の東京を彷彿とさせる建築物も残っています。