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月経病とは月経の周期.月経の期間.月経の量.月経の色と質の異常及び月経周期に伴って引き起こす全身の病気のことを指す。
月経病の病因は外感六淫、内傷七情及び房労過度、飲食不摂生などが上げられる。主な病理は臓腑機能の失調、気血運行の異常、衝任脈の損傷である。弁証は主に月経の周期.期間.月経の量.色.質及び月経周期に伴う症状を基づいて、四診で総合判断する。
月経病の治療原則は<調経>である。具体的な治療方法は補腎、健脾、疏肝、調理気血がよく使われる。その中で特に補腎と健脾がもっとも重要である。<景岳全書>には"調経の要は健脾胃により血液の化生を強くし、補腎により血室を安定させることで、この二つだけ知って良い..."。まず月経病と他病(月経病以外の病気)の関係をはっきりすること:他病が原因で月経病になった場合、まず他病を治療する、他病が治ったら月経病も自然に治る、逆に月経病が原因で他病を引き起こす場合、先に月経病を治療する、月経病が治ったら、他病も自然に治るのが多い。そして標本緩急の合理的に運用すること、例えば、痛みが酷い場合、まず痛み止めをする、大量出血の場合まず止血する、そのあと、原因を探して弁証論治すること。さらに月経周期の各段階により生薬の使い方も気を使う。例えば、月経中には大寒、大熱に属する生薬は慎重に使うべきである、月経の直前に疏導の生薬をよく使うが補益の生薬は慎重に使うべきである。月経後に調補の生薬をよく使うが、強い攻撃性の持つ生薬は慎重に使うべきである。

よく見られる月経病は:
周期異常: 月経前期  月経後期  月経前後不定期
量の異常: 月経過多  月経過少  閉経  崩漏
経行期間異常: 経行期間延長
月経周期に伴って引き起こす病気:痛経  経行発熱   経行頭痛   経行眩暈  
経行吐衄  経行浮腫  経行下利     経行乳房脹痛  経行情志異常  

月経周期が正常より1−2週間早く来朝すること。

一、 経前期に関する中医学の考え
1.脾腎気虚  平素は体質が虚弱で或いは過労、久病などで脾と腎が虚となる、それの影響を受けて、衝任脈の経血を制約する機能が弱くなり、月経前期となる
2.血熱
(1)平素が陰虚の体質で、或いは房労、多産、久病などにより陰血が虚弱となり、虚熱が生成する。その虚熱が衝任脈を犯して、衝任脈の経血を制約する機能が弱くなり、月経前期となる
(2)平素が陽盛の体質で、或いは温燥、辛いものの過食により、内熱が生成する。その内熱が衝任脈を犯して、衝任脈の経血を制約する機能が弱くなり、月経前期となる
(3)憂鬱の性格でまた情志内傷で肝気鬱結となる。長くなれば鬱結の気が熱に化する。その熱が衝任脈を犯して、衝任脈の経血を制約する機能が弱くなり、月経前期となる
***注意事項
1. 月経期間出血と鑑別する
2. 月経前後不定期と鑑別する
3. 崩漏と鑑別する

二、月経前期の弁証論治
1.脾気虚型
<主要症状>月経が正常より7――14日早く来朝する、量が多く、色が浅くて、質が薄い。倦怠感、小腹部が下垂感、動悸、下利、舌質が薄赤で苔が薄白で脈が緩弱である
<治療原則>補脾益気、固衝調経
2.腎気虚型
<主要症状>月経が正常より7――14日早く来朝する、量が少なく、色が浅くて、質が薄い。腰リ腿軟、眩暈、耳鳴り、小便の回数が多い、舌が薄赤で、苔が薄白で脈が沈細である。
<治療原則>補腎益気、固衝調経
3.陰虚血熱型
<主要症状>月経が正常より7――14日早く来朝する、量が少なく、色が赤で質が濃い。五心煩熱、顴骨部の皮膚が赤い、唇が赤い、口と喉が乾く、舌が赤で、苔が少なく或いはない、脈が細数である。
<治療原則>養陰清熱、養血調経

4.陽盛血熱型
<主要症状>月経が正常より7――14日早く来朝する、量が多く、色が紫で、
質が濃い。心胸煩悶、口が渇いて、冷たいものが飲みたい、便秘で、小便が赤色で顔色が赤い、舌が赤で苔が黄色で脈が滑数である。
<治療原則>清熱瀉火、涼血調経

5.肝鬱化熱型
<主要症状>月経が正常より7――14日早く来朝する、量が多かったり、少なかったりする、色が紫で、質が濃く、時には血の固まりを挟む。月経前に乳房、胸脇及び小腹部に脹痛感がする、イライラして、怒りっぽい、口が苦い、喉が乾く、舌が赤で苔が黄色で脈が弦数である。
<治療原則>疏肝清熱、涼血調経

月経周期が正常より7日以上に遅れて来朝すること。たまに遅れたり、初経後の数ヶ月のうちに或いは更年期に月経の遅れはこれに含まれない。

一、 月経後期に関する中医学の考え
1. 腎気虚  精血が不足となり、衝任脈が空虚で時間通りに月経が来ない
2. 血虚  衝任脈が空虚で時間通りに月経が来ない
3. 陽虚内寒  気血の化生が足りなくて、衝任脈が空虚で時間通りに月経が来ない
4. 外感寒邪  血液を凝固させて、血おとなり、血海が時間通りに満杯できなくて、月経後期となる
5. 気滞  気機鬱滞で血おとなり、血海が時間通りに満杯できなくて、月経後期となる
6. 痰湿  体内の痰湿が衝任脈を犯して、血液の循環は遅くなる、血海が時間通りに満杯できなくて、月経後期となる

二、月経後期の弁証論治
1.腎気虚型
<主要症状>月経が遅れて、量が少ない、色が浅くて、質が薄い。眩暈、耳鳴り、舌が薄赤で、苔が薄白で脈が沈細である
<治療原則>補腎益気、養血調経 

2.血虚型
<主要症状>月経が遅れて、量が少ない、色が浅くて、質が薄い。小腹部が隠痛、倦怠感、動悸、失眠、顔色が蒼白で、舌が薄赤で、苔が薄白で、脈が細弱である。
<治療原則>補血養営、益気調経

3.陽虚内寒型
<主要症状>月経が遅れて、量が少ない、色が浅くて、質が薄い。小腹部が痛くて、暖めるのと揉むのが好きで、腰リ腿軟、小便清長(量が多くて、無色)、四肢が冷え
舌が薄赤で苔が薄白で脈が沈遅無力である
<治療原則>温経助陽調経

4.実寒型
<主要症状>月経が遅れて、量が少ない、色が紫で、血の固まりを挟む。小腹部が冷たくて痛い、暖めると楽になる、四肢が冷たい、舌が紫色で、苔が白で脈が沈遅である。
<治療原則>温経散寒調経

5.気滞型
<主要症状>月経が遅れて、量が少ない、色が紫で、質が濃く、血の固まりを挟む。小腹部及び胸脇乳房に脹痛感がする、憂鬱、苔が薄白で脈が弦である。
<治療原則>利気行滞調経
6.痰湿型
<主要症状>月経が遅れて、量が少ない、色が浅く、質が濃い。肥満、眩暈、帯下が多い、舌が胖大、苔が白膩で脈が滑である。
<治療原則>燥湿化痰調経

  月経周期が不安定で7日以上早くきたり、遅くきたりすること。

一、月経前後不定期に関する中医学の考え
1.腎虚  開闔不利、衝任脈失調、経血が血海に蓄積.満溢する時期が一定しないことにより、月経前後不定期となる。
2.脾虚  気血を統摂する機能が弱くなり、衝任脈失調、経血が血海に蓄積.満溢する時期が一定しないことにより、月経前後不定期となる。
3.肝鬱  気機鬱滞、血行も乱れる、衝任脈失調、経血が血海に蓄積.満溢する時期が一定しないことにより、月経前後不定期となる。

二、月経前後不定期の弁証論治
1.腎虚型
<主要症状>月経が早くきたり、遅くきたりする、量が少なく、色が浅く、質が薄い。眩暈、耳鳴り、腰リ腿軟、夜間多尿、頻尿、脈が沈細である
<治療原則>補腎調経

2.脾虚型
<主要症状>月経が早くきたり、遅くきたりする、量が多くて、色が浅く、質が薄い。倦怠感、食欲がない、腹部に脹満感がする、舌が薄赤で、苔が薄白で、脈が緩である。
<治療原則>益気養血調経

3.肝鬱型
<主要症状>月経が早くきたり、遅くきたりする、量が少な買ったり多かったりする、色が赤で、血の固まりを挟む。憂鬱、胸脇乳房および少腹部に脹痛感がする、ため息、げっぷ、脈が弦である。
<治療原則>疏肝解鬱調経

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